個別指導塾の学習空間 守山教室&近江八幡教室の寺澤です。
今回は、近江八幡教室のR君について書かせていただきます。
R君(現在高3)は、とある大学付属の高校生。高1の10月に入塾してくれました。
入塾理由は、数学の成績UPと、内部進学に必要な評定平均3.3以上をとること。
よくよく話を伺うと、直近のテストでの数Ⅰの点数は0点。
数学の評定はギリギリ2で、当然全体の評定平均も3.3には程遠いものでした。
そんなR君の現状を涙目で語るお母様を見て、
「やりましょう。僕が責任を持ってR君を進学させて見せます」と、
固く決意したのを今でも強く覚えています。
そうして、私の超強気発言から始まったR君の指導は、もちろん一筋縄では行きませんでした。
まずは公式の暗記と計算練習。点数が点数だけに、基本のキからやり直しです。
たまに居眠りしてしまう彼のお尻を叩きながら、方程式の解き方、三角比の使い方…と、
挙げたらキリがありませんが徹底的に叩き込みました。
そのかいあって、1ケタから20点台、50点台と順調に上がってはきたものの、
60点未満の場合はもれなく追試があるため、自分の中ではまだまだこれから…と意気込んでいた矢先。
「先生…またやっちまった。」
そう言って差し出された数学の点数を見ると、、、「0」の文字が。
それまでの自分だったら、「おめぇ、やる気あんのか!?」と怒っていたかもしれませんが、
その点数をとらせてしまったのは誰でもない自分なんだと強く言い聞かせ、
「どうした?最近上がってきたのにらしくないじゃん。」と声をかけました。
すると、R君の口から、
「〇〇大の歴史学科って人気やし、今の成績じゃ行けるわけないわって思って…」
「数学なんて別に使わんし、歴史とか国語でとってなんとかしようかなって…」
若干うつむきながらもそう話してくれた彼に、私は
「たしかにそうだけど、自分のやりたいことをやるには全然関係ない壁でもブチ破らないと
いけん時がある。人生はそんなに甘くない。でも、Rなら絶対やれるし、もう1回ガチでやらんか?」
と問いかけました。
若干の沈黙ののち、「…やってみるわ。」と呟いてくれました。
そうして始まったのです。地獄の帰れま10が!(某TV番組のパクリです汗)
数学のテキストや授業プリントから大事な問題を抜粋し、全て完答するまで帰れないという
鬼のメニューを開始し、R君はメキメキ力をつけていきました。
初めは「もう帰らして…」というのかな思いきや、一度も弱音を吐くことなく取り組んでくれました。
合格できるように、自宅でも解ききるまで学習する習慣もつきました。(うれしい!!)
「あぁ、もう!」、「なんでこんなミスすんねん!」と、自分で自分に怒っているような言葉をかけながら
奮起している様子を見て、彼が変わった瞬間に少しばかり泣きそうになりました。
そして前回の0点から1ヶ月と少し経ったテストが終わり、「先生、これ見て。」と差し出された紙には、
「100」の文字が。
「俺は別に驚かんよ。それだけのことを乗り越えてきたからね。でも今まで本番で発揮しきれなかった力がやっと出せて良かったです。」
(思わずガッツポーズしそうになったのは内緒です笑)
「まあ、あんだけ勉強したからあとはやるだけだったしな!」
こんなやり取りができる生徒を持てて、私は幸せ者です。
今ちょうどこの記事を書いているのがR君が高3の11月。
無事評定平均も4を取り、つい先日第一志望の歴史学科への合格を報告してくれました。
(省かれてはおりますが、鬼の面接特訓も行っております笑)
0点から100点を取った生徒は彼が初めてですが、これはあくまでもただの数字です。
合格アンケートにも書いてくれたように、
「自分で勉強する習慣と自信をつけることで成績を上げることができた。」
これが真の成績UPだと、私は考えます。
きっとR君はこの先も成長し続けてくれることでしょう。本当にありがとう。
追伸
合格のごほうびに某カードゲームのパックがほしいとねだる彼のこの先を、
すこしだけ心配になりました笑