個別指導塾の学習空間、静岡東部エリア 沼津東・三島南教室の松山です。
いきなりですが、皆さんは学生時代にどのような短歌の授業を受けてきましたか?
「百人一首を覚えた」「教科書に載っている有名な歌人の歌を鑑賞した」「実際にオリジナルの短歌を創作した」などが考えられますが、そもそもどのような授業を受けてきたのか覚えていない方も多いのではないでしょうか。
かくいう私もその一人で、学生時代を振り返ってみても短歌の授業はあまり記憶にありません。
そんな私でも印象に残っている短歌の授業が1つだけあります。
それは私が大学時代に受けた、とある教授の講義内での授業です。教育学部では、実際に中学生や高校生が受ける授業のお手本を教授が実践してくれることがあります。
もちろん数年前のことなので、印象に残りやすいのはありますが、私はわずか50分間のその短歌の授業が面白いと感じ、心惹かれました。
実際にその授業を紹介する前に、まずは短歌とはどのようなものであるかを簡単に説明していきます。
住んでいる地域や教科書会社によって多少の差異はあるかもしれませんが、一般的に中学2年生では次のような短歌の知識を学びます。
〇短歌の形式 五・七・五・七・七の三十一音。
・字余り・・・基本となる五音・七音より多いこと。
・字足らず・・・基本となる五音・七音より少ないこと。
〇句切れ 意味やリズムの切れ目。句切れの位置によって、初句切れ、二句切れ、三句切れ、四句切れといい、切れ目がないものを句切れなしという。
〇表現技法
・体言止め・・・結句(最後の七音)を体言(名詞)で終わらせて余韻を残す。
・倒置・・・語順を変えて、感動をより鮮明にする。
・比喩・・・別のものにたとえることで、イメージを膨らませる。
他にも枕詞などの表現技法がありますが、今回は割愛します。また、短歌は俳句とは異なり必ずしも季語を入れる必要はありません。
このことを踏まえて、実際に私が大学時代に受けた短歌の授業の概要を紹介していきます。
まず、その授業を一言でいうとタイトルにもある通り、たった七音で短歌を楽しむというものです。
教授が初句から四句までを提示して、最後の結句をだけを学生が考えます。三十一音を全て自分で考えるのは時間もかかるうえハードルも高いですが、たった七音だけを考えるのはそれほど難しいことではありません。
では、教授が提示した初句から四句までを以下に記します。
今日は雨 私の心 晴れている 赤い雨傘
一般的に雨の日は気分が落ち込みやすいと言われています。そんな中で歌に登場する「私」は心が晴れています。なぜでしょうか。四句の後にオリジナルの結句を考えます。
「私」は大人?子ども?、「赤い雨傘」は新品?使い古したもの?様々なことが想像できます。
皆さんだったらどのような結句をつくりますか。
結句のみを考えるだけにもかかわらず、授業では学生が詠んだ歌が一人一人異なり、まさに十人十色でした。中には私の視点では到底思い浮かばないような優れた結句を考えた学生もいて、興味深く思いました。
ちなみに当時の私は、結句を「一輪の花」としました。一輪の花とは、赤い薔薇のことでプロポーズをされた女性(男性)を想像して詠みました。
このブログを最後まで読んでくれた方が少しでも短歌に興味を持ってくれたら嬉しいです!
最後までご拝読いただきありがとうございました。