
国語の読解問題で「要旨を答えなさい」
と問われ、困った経験。ありますよね。
「読んだけど、
何が言いたいのかわからない……」
てなりますよね。
要旨をつかむことは、
国語だけでなく全教科の土台です。
今回は、
「要旨とは何か?」
「どうすれば要旨がつかめるのか?」
具体例を交えて、解説していきます。
まず、「要旨」とは何か。
ひとことで言うと、
「筆者がいちばん言いたいこと」です。
そう。いたってシンプルです。
でも、これが意外と見えにくいんです。
なぜなら、
筆者は「言いたいこと」をすぐには言わないから。
文章には、
説明、例え話、反対意見との比較……
いろんなパーツが出てきます。
たらたらたら。
言いたいことは、すぐには言いません。
そして、だいたいは最後。
「伝えたい主張=要旨」がでてきます。
文章の流れを簡略化すると、
こんな感じ。↓
・こんな問題があるよね。どうなんだろね。
・例えば、こんな意見①もあるよね。
・反対に、こんな意見②もあるのよ。
・意見①も気持ちはわかるのよ。
・意見②は、批判もあるが実際はやはりそれが事実なのよ。
(結局、筆者の意見は②。)
このように、
結論や自分(筆者)の意見は、
最初に言ってくれない。
たらたらたらたら書いてある文章の中に、
筆者の確たる意見がどっかに入ってる。
こんな感じですね。
言ってしまうと、
国語で出てくる説明文とかって、
「わかりにくい文章」なんです。
ビジネス文書でこんな文章書いたら、
とんでもないことになります。
例えばですよ、
会社の採用への応募者への、不採用通知。
「いろいろ社内でも話し合いまして、採用すべきか、不採用にすべきか、様々な意見もでました。例えば、〇〇様の〇〇の部分は魅力的ですが、〇〇の部分は懸念が生じるというような意見もございました。
そのため、難しい決断ではございましたが、結局その懸念部分が大きいということで、人事部の方でも意見がまとまりました。」
この文書の要旨は、「不採用」です。
説明文て、こんな感じ。
結論は言わず、あーでもないこーでもない。
(結論ファーストのビジネスや広告では、こんなんダメですよね…)
しかし必ず、
読み取るべき「要旨」(筆者の言いたいこと)。
必ず入ってます。
それを読み取る。
ではこの、
「わかりにくい文章から要旨を読み取る」
この能力は、
はたして将来必要なのか。
「こんな難しい本とか、
自分からは一生読まないし!」
てなりますよね。
しかし、
この「要旨を正確に読み取る」という能力。
国語の総合力が必要なんです。
実はそれが、
皆さんが「要旨を答える」が苦手な理由。でもあります。
皆さんが苦手な問題って、
だいたい「総合力が試される問題」です。
(記述問題、英作文、文章題などなど)
その総合力とは。
・語彙力
・経験
・知識
読んだけど、
「何書いてあるかわからない…」
てなるのは、
書かれてる文章が、
自分の経験と知識とリンクしないからです。
ピンとこないから。
例えば、
「ヨーロッパの生活様式」
に関する文章だったら。
「いや…ヨーロッパなんか行った経験がない。ピンとくるほうがおかしい」
てなりますよね…。
でも、
普段から本を読んでる人とかって、
どうでしょう。
それをもし知識として知ってれば、
それもう経験なんです。
そう。読書は、経験と同じなんです。
本というのは、
他人の経験や思考が書かれたもの。
それを読むことは、
他人の経験と知識を苦労せずに取得できる。
だから、読書はコスパ最強。
1000円ぐらいで、知識と経験が手に入ります。
結局、国語の「要旨を答える問題」も、
読書量だったり、
考える習慣だったり。
その習慣が多い子ほど、正解できます。
そのため、
テストは「その習慣があるか」
をちゃんと試していると言えます。
要旨と要約の違いは?
やっと、
テクニック的な話に移ります…
混乱しやすいのが、「要約」との違いです。
要約
大事なポイントを短くまとめたもの要旨
筆者の主張・1番言いたいこと
たとえば、
次のような文章があったとします。
健康のために運動をする人が増えている。
しかし、無理な運動を続けてしまい、逆に体調を崩す人もいる。
運動は大切だが、無理なく続けることが何よりも重要だ。
この文章の要約は
「運動の大切さと注意点について述べている」
となりますが、
要旨は
「運動は無理なく続けることが大切だ」
となります。
要約は、全体の骨組み。
要旨は、その中の芯。
要旨をつかむ3つのステップ
それでは実際に、
要旨をつかむための3ステップ!
を紹介します。
ステップ①
「接続語」に注目する
「しかし」「だから」「つまり」
などの接続語は、
文章の流れを示す大きなヒントです。
特に、「しかし」「だが」は
筆者の本音が出やすい部分。
ここに要旨があることが多いです。
ステップ②
「繰り返される言葉」をチェック
筆者が何度も使っているキーワードは、
それだけ強調したい=言いたいこと、
という証拠です。
同じ意味の言葉が、
言い換えられてることもあります。
ステップ③
「結論部分」に注目する
文章の最後には、
まとめとして筆者の主張が書いてあることが多いです。
前半で述べた内容を受けて、
「だから〇〇だ」と言っていれば、
そこが要旨です。
具体的な例で練習してみよう
実際の例を使って、練習してみましょう。
現代の子どもたちは、スマートフォンやタブレットを使って、すぐに情報を得られるようになった。
確かにそれは便利なことだが、情報を得るスピードが速いぶん、深く考える時間が減っているともいえる。
何でもすぐに答えを求める癖がついてしまえば、自分の頭で考える力が弱くなってしまう。だからこそ、子どもたちには「自分でじっくり考える力」を意識的に育ててほしい。
この文章の要旨を考えてみましょう。
まず、「確かに〜だが」「だからこそ」
という接続語がヒントです。
「自分でじっくり考える力を育ててほしい」
というのが筆者の願い=主張である。
と読み取れますね。
よって要旨は
「子どもたちには自分で考える力を育ててほしい」
となります。
要旨問題でよくあるミス
・本文の一部だけを拾ってしまう
たとえば、
「スマホは便利だ」と書いてあると、
そこが要旨だと思ってしまうミス。
実際は「便利だが、考える力が弱くなる」
と主張してます。
・具体例を要旨と思い込む
「〇〇という調査がある」などの部分は、
筆者の主張を支える材料です。
具体例=要旨ではないので注意。
・キーワードが変化しているのに気づかない
「自分で考える」「深く考える」「思考力」など、同じ意味の言葉が違う形で登場します。
これらをつなげて読まないと、
要旨がつかめません。
学校の定期テストでも、要旨がカギ!
最近の定期テストでは、
記述式の問題が増えています。
「筆者の考えを、自分の言葉でまとめなさい」
という問題は、要旨をつかめていないと点が取れません。
「この文章の中で、一番言いたいことは何か?」
この視点を持つだけで、
読解の力はぐんと上がります。
まとめ:要旨をつかむ力は一生モノ!
国語の要旨をつかむ力は、
受験だけのための技術ではありません。
社会に出てからも、
「このメールは何を伝えたいのか」
「この人は何を主張しているのか」
を読み取る力は非常に大切です。
だからこそ、
学生のうちに「文章の芯」を見抜く練習をしておきましょう。
それが、将来の自分のためになります。
終わります。
ちなみに、
上記のブログ全文を
AIに「要約」と「要旨」を
それぞれ聞いてみました。
AI優秀すぎて草。
【要約】
国語の「要旨」とは、
筆者がいちばん伝えたい主張のこと。
要旨をつかむには、接続語や繰り返されるキーワード、結論部分に注目することが大切で、語彙力や知識、読書習慣が大きく関わっている。
要旨と要約は異なり、要旨は文章の「芯」である。
定期テストや将来にも必要な力なので、日頃から読み取る練習をしておこう。
【要旨】
「筆者の主張(要旨)をつかむ力は、
読解力の土台であり、将来にも役立つ大切な力である」
posted by本橋(埼玉西部エリア)
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