光=粒、原子=波!?
摩訶不思議な量子論の世界

お久しぶりです。

個別指導の学習空間 埼玉西部エリア 川越南教室・学プラ担当の小宮です。

今回お話するのは、高校物理でもなかなか理解に苦しむ分野である、「量子力学」の中で最も代表的な内容になります。

今の時点で理解できなくても何ら問題ありません!「こんな不思議な世界があるのか…!?」と思ってくれれば十分です!
それでは、レッツスタディ!!

まずは大前提として、2つ質問を投げます。

1.光は波でしょうか?
2.原子は粒子でしょうか?


…………
………………

…はい、「バカにしてんのか!?」というツッコミが聞こえてきそうですね汗

まず、光は言わずもがな波ですね。特に高校で物理をとっていた方は、ヤングの実験結果から、光が波の性質を持っていることを学んだかと思います。

原子に至っては、中学校で習いますね。「物質を構成する最小単位」だ、と…。分解していっても、どこまでいっても残るのは粒である、というのは考えてみれば当然かと思います。

ところが、20世紀頃に「光が波である」と考えると、論理的に破綻してしまう実験結果が現れました。それが、光電効果です。

専門の記事ではないので、詳しくは解説しませんが、光電効果をざっくり説明すると、

「金属に光を当てると金属表面から電子が飛び出てくる」

という現象になります。

これの何が問題なのかというと、光が波であると考えている限り、実験で得られた結果と決定的な矛盾を生じてしまうことです。
簡単に言ってしまうと、波長が長い光だといくら強い光にしても光電効果が起きないのに、波長が短いと弱い光でもあっさり起きてしまう、というような結果となりました。
これのどのあたりが問題なのかは難しい話になってくるので、専門の記事を見ていただくとして…

そこで当時、アインシュタインによって画期的な理論が唱えられました。それが、光量子仮説です。

光量子仮説とは、光は粒子としての側面も持っているという考え方になります。

前述のとおり、光は波の性質を持っています。しかし、アインシュタインによると、

光は同時に粒としての性質も持っており、光子(フォトン)と呼ばれる粒の集まりである、という説になります。

色々と説明を端折りますが、アインシュタインはこの光量子仮説をもって、それまで誰もできなかった光電効果の実験結果の理屈の説明を成し遂げました。
それまで信じられてきた「光は波」という固定概念を打ち壊す、画期的な理論であったと言えるでしょう。

余談ですが、アインシュタインといえば特殊相対性理論が有名ですね。しかしながら、実はこの光量子仮説でノーベル物理学賞をもらっています。(ノーベル賞は、同一人物に2度与えられることはない)

続けて、原子のお話に行きましょう。ここからが記事の後半戦です。

先程お話した、アインシュタインの光量子仮説、これを見ていたとある物理学者(の卵)がいました。それが、フランスのド・ブロイという人物です。

彼は、「光が粒子の側面を持っているのならば、もしかすると電子や原子等の粒子にも波の性質を持っているのでは?」と考え、それを自身の博士論文に記しました。

これもなかなかぶっ飛んでますよね…。当時はかなり話題になったのではないでしょうか?

ただ、後々の実験において、電子に波動性があること、原子や物質に波動性があることが証明されています。
実際私も、大学の授業の中で、電子の波動性を証明するものとして、電子での干渉縞ができていく動画を見たりしたことがあります。

この物質の持つ波のことを物質波、もしくは提唱者の名前からド・ブロイ波と言います。
また、特に電子の物質波のことを電子波といいます。

ではなぜ、普段接している物質から波を感じ取ることができない、もしくは考えていないのかというと、通常の大きさの物質だと、波長があまりに小さすぎて無視できてしまうからです。

物理や化学だと、「相対的に小さいのであれば、細かい値を無視して計算を楽にする」ということは往々にしてありますが、今回も恐らくそのパターンですね(笑)

ただ、量子論の世界だと、注目しているのが原子1つとか電子1つとかなので、微々たる値であっても無視ができず、計算しなければならないため、ややこしいことが多いです。

ただ、電子の波動性に関しては、理解が非常に難解です。

これに限った話ではありませんが、実は電子などの波動性は、「その場に存在している確率」を表している、と解釈されています。(この解釈をコペンハーゲンの解釈というそうです)
もはや意味が分かりませんよね汗 なんだ存在確率って…

もちろん、この解釈に反対している物理学者もいます。有名どころだと、先程光量子仮説のところで出たアインシュタイン辺りがそうですね。

ただ、現状は諸々の実験結果を説明するうえで理にかなっている解釈であるため、このような説明がなされています。

ちなみに、このド・ブロイ波は、「シュレディンガーの波動方程式」の元となっています。

いかがでしょうか?

こんなの私達には縁がない!と思われるかもしれませんが、実は身近な例だと、光電効果は太陽光発電で、ド・ブロイ波は電子顕微鏡の原理として用いられています。

普段理科の授業でやっていることも、「これ何に使われているんですか?」と聞いてみる、もしくは調べてみると、意外なところに使われたりしていて面白いかもしれませんよ?
遠く感じるようで、意外と近くに存在している、それが理科という学問だから…

それではッ!!

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