静岡県立富岳館高校の
偏差値・内申点・入試対策
完全解説
自分に合った時間割を作れる「総合学科(単位制)」の魅力や選べる6つの系列、合格ボーダーライン・学調目標点を徹底検証した受験ガイド。
📝 内申点 27〜29
🌱 110年以上の伝統が息づく総合学科
🏫 単位制による「一括募集」採用校
富岳館高校の基本情報と総合学科・単位制の特徴
静岡県立富岳館高等学校は、富士宮市弓沢町に校舎を構え、明治時代に大宮農学校として産声を上げて以来、110年以上の輝かしい歴史を繋いできた伝統校です。地元では「富岳(ふがく)」の愛称で広く親しまれています。
富岳館の最大の特徴は、受験時に細かい学科を選ぶ必要がない「一括募集」と、入学後に自分の興味に合わせて学習を深める「単位制による総合学科」の仕組みにあります。1年次には全員が共通の基礎科目や「産業社会と人間」という自己探究の授業を受け、2年次から以下に分かれる「6つの系列」から自分の進路を自由にデザインしていきます。
- 人文社会系列:国語や社会、英語などを深く学び、4年制大学(文系・語学系)や人文学分野への進学を目指します。
- 自然科学系列:数学や理科を中心に学習し、理系・工学・医療看護系大学や専門学校への進学をサポートします。
- 生物生命系列:富岳館の農業の伝統を受け継ぐ系列。バイオテクノロジー、植物、食品科学などを実験・実習を通して学びます。
- 環境土木系列:測量や製図、都市設計、土木施工の基礎を学び、将来の建設・造園業界や技術系公務員の育成を行います。
- 労働ビジネス系列:情報処理、簿記、パソコンスキル、マーケティングなどビジネスの実践力を養い、優良企業への就職・商業進学を目指します。
- 生活人間系列:保育、調理、栄養、被服、介護など、日々の生活に関わる専門分野を学び、食物系・幼児教育系進路をサポートします。
偏差値・内申点・合格ラインの目安
富岳館高校はすべての生徒が「総合学科」として一括で出願します。静岡県の公立入試の特性上、まずは第1段階の選抜に残るため、内申点のクリアを目指すのが王道です。
| 学科 | 判定 | 内申点目安 (9教科) | 当日点目安 (250点満点) | 状況と合格戦略 |
|---|---|---|---|---|
| 総合学科 (単位制) |
安全圏 | 30〜32以上 | 125点以上 | 内申点でしっかりとしたリード。当日テストで大きなケアレスミスをしなければ、高い確率で合格を掴めます。 |
| 合格可能圏 | 27〜29 | 110〜118点 | ボーダー 受験生が最も密集する中間層。当日のテストで基礎・基本問題をきっちり死守する強さが必要です。 | |
| 共通枠下位 | 危険圏 | 25以下 | 135点以上が必要 | 要強化 内申による第1段階の足切りにかかりやすいため、第3段階選抜の逆転枠を狙って当日テストでの高得点が必要です。 |
学調(県学調)の目標点数
中学3年生の9月と11月に実施される「静岡県中学校学力診断調査(県学調)」は、学校の三者面談で受験許可が下りるかの最大の判断基準となります。
- 11月の第2回学調で115点以上をキープできているかどうかが、自信を持って出願を確定させるための目安です。
- 現在90点〜100点前後の場合は、数学の計算ミスを無くすこと、英語の基本単語、理社の一問一答などの基礎を毎日15分ずつ徹底して復習するだけで、短期間でも15点前後の得点アップが十分に狙えます。
入試制度のしくみ(裁量枠と共通枠)
富岳館高校の選抜は、「学校裁量枠」と「共通枠(3段階選抜)」の2つに分かれて判定が行われます。
- 野球や陸上競技、ソフトテニス、弓道など、中学校時代の優れたスポーツ・部活動の実績を重視して評価する裁量枠が設けられています。
- 当日は実技検査等が実施されることが多く、中学校での頑張りを高校でも継続して活かしたい受験生に有利な仕組みです。
受験者全員を内申点順に並べ、定員内の上位層をまず抽出します(目安内申27〜28以上)。その集団の中から「当日の入試テストの点数が高い順」に合格を出します。内申ボーダーをクリアしておくことが何よりの近道です。
第1段階で合格にならなかった受験生の中から、中学校時代の委員会活動、ボランティア実績、部活動の態度、皆勤、面接での受け答えが特に優秀な生徒を選抜します。
テスト点数、内申点、面接、調査書をすべてフラットに審査。内申が少し足りなくても当日点で大きく巻き返した生徒がここで拾い上げられます。
教科別入試対策のポイント
富岳館合格レベル(110〜120点以上)を確実にクリアするためには、難易度の高い応用問題で部分点を狙うよりも、**「全員が正解する基礎・標準問題を確実に仕留める」**ことが最も賢実な戦略です。
- 大問1の計算問題・方程式(20点分)は確実に満点を取るため、日頃から途中式を丁寧に書く練習を繰り返す。
- 確率や、1次関数グラフの(1)など、毎年形が決まっている基本の得点源を絶対に落とさない。
- 難度の高い図形の証明は白紙にせず、問題文から分かる等しい条件を書き写すだけで部分点を狙う。
- 植物、人体、天気、火山、天体などの暗記分野は、教科書の太字用語を一問一答形式で完璧に暗記し、ここで手堅く加点する。
- 物理・化学の計算問題は、基本公式の使い方のパターンを過去問をベースに繰り返し解き直す。
- 実験器具の正しい操作手順や、実験結果の理由を答える典型的な記述問題の対策。
- リスニング問題は大きな得点源。教科書の音声や過去問CDを繰り返し聴いて、耳を慣らしておく。
- 長文読解問題は時間を意識し、設問を先に読んでから、答えに該当する文を本文中から探す訓練を行う。
- 英作文は難しい構文を使わず、使い慣れた確実な主語・動詞の構成(中1〜中2レベル)で書いて減点を徹底して防ぐ。
- 漢字の読み書き、主語・述語の関係などの知識問題でミスをゼロにし、手堅く得点を積み上げる。
- 作文は指定された条件や文字数のルールを厳守し、学校や塾の先生に添削してもらって原稿用紙の使い方をマスターする。
- 記述解答は、問いに合わせた結びの言葉(「〜のこと」「〜だから」など)を徹底する。
- 地理の基本地図や雨温図、歴史の各時代の代表的な出来事を時代の節目(流れ)ごとに総整理。
- 公民分野は憲法、三権分立、経済の基礎などを、一問一答を中心にマスターする。
- グラフや歴史資料を見て、その理由を簡単な日本語で説明する典型的な記述の練習。
面接対策のポイント
富岳館高校の面接では、自分で将来のカリキュラムを決める総合学科らしく「なぜ富岳館に入りたいのか」「入学後にどの系列を学び、将来どう活かしたいか」という主体性と意欲が非常に重視されます。
- 「なぜ他の高校ではなく富岳館高校を選びましたか?」
⇒「入学後に自分の興味に合わせて『系列』を選べる総合学科に魅力を感じたから」「1年次の『産業社会と人間』の授業を通して、自分の将来をじっくりと考えたいと思ったから」など、学校のシステムを理解して伝える。 - 「興味のある系列や、入学後に取り組みたい活動は何ですか?」
⇒「生物生命系列で食品科学の実験に取り組みたい」「労働ビジネス系列でパソコンの資格を多く取得したい」など、パンフレットに載っている具体的な系列名を1つ挙げて熱意を伝える。 - 「将来の夢や、進みたい進路を教えてください」
⇒「富岳館の推薦枠を活かして経済系の大学に進学したい」「環境土木系列での学びを活かして地元の建設業界で活躍したい」など、前向きな将来像をハキハキと伝える。
受験スケジュールと重要イベント
富岳館合格に向けて、中3の1年間でどの時期に何をすべきか全体の流れです。
各専門系列のパソコン実習や、農業・バイオ・土木の実験など、総合学科ならではの多彩な体験授業が行われます。志望理由を具体的にするためのマストイベントです。
夏休みの勉強成果を確認する最初の大きな実力テスト。まずは100〜105点以上を最初の目安にしましょう。
志望校決定において最も参考にされるテスト。ここで「110〜115点以上」をマークできるよう、過去問や苦手単元の徹底復習を行います。
2学期の内申点(目安27〜29以上)と学調の結果をもとに、富岳館高校への出願を中学校の先生と決定します。
1日目に5教科の記述テスト、2日目に集団面接が行われます。元気よく、ハキハキとした態度で臨みましょう。
進路実績・推薦進学から優良企業就職まで抜群の実績
富岳館高校の最大の強みは、6つの系列に分かれて専門性を磨くからこそ生まれる、進路決定率の高さです。地元優良企業への就職率は毎年ほぼ100%を誇り、総合学科の強みを活かした「学校推薦・指定校推薦」による4年制大学・短大・専門学校への進学実績も非常に豊富なのが特徴です。
| 進路区分 | 主な合格・就職実績 | 特徴と強み |
|---|---|---|
| 4年制大学・短大進学 | 常葉大学、神奈川大学、東海大学、日本大学、その他静岡県内外の文系・理系・農学・生活系大学 | 総合学科独自の「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」を利用し、一般の普通科高校よりも有利に4年制大学へ進学する道が数多く整っています。 |
| 地元有力企業・インフラへの就職 | 地元有力製造業、事務職、電力・設備関連企業、農業・食品関連企業、建設・ハウスメーカーなど | 在学中に取得した多様な資格(簿記・パソコン・危険物など)や実習実績が高く評価され、毎年非常に手厚い企業求人が集まります。 |
| 公務員・各種専門学校 | 富士宮市役所、富士市役所、警察・消防、看護医療、調理・保育系専門学校など | 土木・事務の専門知識を活かして高卒公務員試験に合格する生徒や、生活人間系列から保育・看護の専門学校へ進む生徒も多数います。 |
まとめ:富岳館高校合格へのチェックリスト
- 内申点は「27〜29以上」のキープを第一に! 定期テストの提出物や小テスト、前向きな授業態度を徹底し、1点でも多く評定を確保して足切りを防ぎましょう。
- 県学調の目標は「110点〜120点以上」! 苦手教科で大崩れしないよう、数学の大問1〜2の計算や理社の一問一答など、基本問題での取りこぼしを完全に無くすこと。
- 面接で「富岳館で学びたい系列」を明確に! 自分がどの系列で、どんな専門スキルを学び、将来どう活かしたいのか、前向きな意欲を自分の言葉でハキハキと表現できるようにしっかりと準備しましょう。
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