個別指導塾の学習空間、静岡東部エリアの望月です。
「静岡県の公立高校入試は、内申が大切と聞くけれど、当日の点数はどう見られるの?」
「学校裁量枠や3段階選抜が、よく分からない」
入試の仕組みを調べると、普段は使わない言葉が出てきます。ただ、最初から細かな数字をすべて覚える必要はありません。まずは、何を資料にして、どの順番で選ぶのかを押さえましょう。
この記事では、静岡県公立高校の全日制・一般選抜を中心に、調査書、学力検査、面接の役割と、学校裁量枠・共通枠の仕組みを解説します。定時制・通信制、特別選抜などは条件が異なるため、該当する場合は静岡県の令和9年度入学者選抜資料で確認してください。
先に押さえたい、入試の全体像
- 入試は調査書・学力検査・面接の結果等を使って選抜します。 内申だけ、当日点だけで一律に決まる仕組みではありません。
- 一般選抜には学校裁量枠と共通枠があります。 共通枠では、原則として3段階で合格者を決めます。
- 75%・10%・15%は、選抜人数の基本割合です。 個人の合格確率を表す数字ではありません。
- 2027年入学向けの全日制一般選抜は、3月3日が学力検査、3月4日が面接です。 出願はWebでの手続に対応します。
以下は、県の実施要領と「公立高校をめざすあなたへ1」に基づいて整理しています。
1.入試で使われる「調査書・学力検査・面接」
全日制一般選抜の基本となる資料を、最初に整理します。
| 資料 | 基本の内容 | 押さえたいこと |
|---|---|---|
| 調査書 | 中学校が作成する、学習状況や活動等の記録 | 内申と呼ばれる評定以外の記載事項もあります |
| 学力検査 | 国語・数学・英語・社会・理科。各50点、合計250点満点 | 一部専門学科では、選抜に使う際に特定教科へ傾斜配点を行います |
| 面接 | 志願者全員に実施 | 学習への意欲、校内外の活動、進路等について質問します。方式は学校により異なります |
学校裁量枠では、学校・学科によって作文、小論文、実技などの学校独自選抜資料を用いる場合もあります。県実施要領・7~9ページ
過去の学力検査では、記号で答える問題と、言葉や式などを書いて答える問題が出題されています。「全問が説明文を書く記述問題」という意味ではありません。出題の形は県が公開する過去の正答・採点基準で確認できます。
2.内申はいつの、どの成績が使われる?
基本は、中3の9教科を5段階で評価
高校入試で「内申点」と呼ばれることが多いのは、調査書に記載される教科の評定合計です。基本は9教科を5段階で評価した、45点満点になります。
国語・社会・数学・理科・英語の5教科に加え、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の4教科も含みます。基本の合計は、5教科で25点、4教科で20点、合わせて45点です。県リーフレット・PDF4枚目
「中3の2学期通知表そのもの」と決め付けない
中学校卒業見込みの生徒について、県は中3の第2学期末、12月末までの学習状況を調査書へ記すよう定めています。2学期制の中学校でも、12月末までの学習状況が対象です。
そのため、ある回の通知表の数字や、1回の定期テストの点数だけで、入試に使われる評定を決め付けないことが大切です。自分の学校での評価や調査書の説明は、中学校の先生に確認しましょう。県実施要領・71ページ
中1・中2の評定を中3の評定に足して、45点を算出する仕組みではありません。ただし、調査書には3学年分の出欠なども記載されます。「中1・中2の学校生活は入試と無関係」という意味ではありません。県実施要領・70~72ページ
一部専門学科には、特定教科の傾斜配点がある
45点満点という基本計算と、各学科が選抜に使う資料の作り方は分けて理解しましょう。一部の専門学科では、評定や学力検査について、特定教科を重く見る傾斜配点を行います。
例えば、令和9年度の韮山高校理数科では、数学・理科の評定をそれぞれ1.5倍として扱います。専門学科を希望する場合は、学校名だけでなく、学科と対象年度まで確認する必要があります。県実施要領・11・127ページ
3.学校裁量枠と共通枠の違い
一般選抜では、学校裁量枠の選抜を先に行い、その合格者を除いて共通枠の選抜へ進みます。
| 選抜枠 | 仕組み |
|---|---|
| 学校裁量枠 | 学校・学科が示す観点や方法により選抜します。学習への適性・意欲、活動など、重視する内容は一律ではありません |
| 共通枠 | 調査書・学力検査・面接の結果等を、県が定める3段階の手順に沿って審査します |
学校裁量枠は、募集定員に上乗せされた別の定員ではありません。共通枠定員は、募集定員から学校裁量枠と特別選抜の合格者数を差し引いた人数です。県実施要領・1・10ページ
学校裁量枠には、希望者を対象とする段階も、志願者全員を対象とする段階もあります。割合、対象者、使う資料は、県の学校裁量枠一覧で志望する学校・学科の欄を確認してください。
一覧表を読むときは、「割合が大きいか」だけでなく、「誰を対象に、何を見て選ぶか」を一緒に確認しましょう。一覧表の見方も参考になります。
4.共通枠の3段階選抜を、順番に理解する
ここからは、共通枠を設ける学校・学科についての説明です。学校裁量枠の合格者を除いた受検者を、共通枠対象者と呼びます。
県が示す基本の流れは、次のとおりです。
| 段階 | 選抜の基本 | 合格者の基本割合 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 評定合計で対象者を決め、その中から学力検査の得点合計をもとに選ぶ | 共通枠定員の75%程度 |
| 第2段階 | 第1段階の合格者を除き、活動・行動など学習の記録以外の調査書記載事項と面接をもとに選ぶ | 共通枠定員の10%程度 |
| 第3段階 | 第1・第2段階の合格者を除き、調査書・学力検査・面接の結果等を総合的に審査する | 共通枠定員の15%程度 |
この表は基本の流れです。 各段階には対象からの除外規定や、低倍率の場合の特則があります。また、割合は各校の裁量で前後10%の範囲内で調整できます。県のリーフレットでは、75%程度の幅を65~85%の例で示しています。共通枠対象者数が共通枠定員に満たない場合、割合を掛けるもとの人数は共通枠対象者数に読み替えます。県実施要領・10~11ページ/県リーフレット・PDF4枚目
第1段階:評定による対象決定と、学力検査による選抜
原則として、9教科の評定合計の上位から、共通枠定員までの生徒を対象とします。県リーフレットでは、境界の評定が同点の生徒も含むと説明しています。その中から、5教科の学力検査の得点合計の上位順に、共通枠定員の75%程度までを合格者とします。
ただし、共通枠倍率が1.1倍以下の場合、最初の対象範囲は「共通枠対象者数の90%まで」に変わります。 共通枠倍率は、共通枠対象者数を共通枠定員で割った値です。最初に公表される通常の志願倍率とは区別してください。
さらに、調査書の学習の記録以外の事項や、面接の結果等を考慮して、対象から除外する場合もあります。県実施要領・10ページ/県リーフレット・PDF4枚目
ここで大切なのは、塾や情報サイトの「内申の目安」が、その年の実際の選抜対象の境界を示すわけではないことです。目安を超えたから合格、下回ったから不合格とは判断できません。
第2段階:活動等と面接を見るが、評定・当日点も無関係ではない
第1段階で合格しなかった共通枠対象者を、改めて対象とします。調査書の学習の記録以外の記載事項と面接の結果により、共通枠定員の10%程度を選抜します。
ただし、調査書の学習の記録や学力検査の結果等を考慮して、対象から除外できる規定があります。 「第2段階なら内申や当日点は見られない」という説明は正確ではありません。県実施要領・10ページ
また、生徒会長、部長、皆勤などの肩書きや記録だけで、合格を保証する枠でもありません。面接に向けては、自分が何に取り組み、何を考えたのかを具体的に振り返ることをおすすめします。
第3段階:残る対象者を、複数の資料で総合的に審査
第1・第2段階で合格しなかった共通枠対象者について、調査書、学力検査、面接の結果等を総合的に審査し、共通枠定員の15%程度を選抜します。県実施要領・11ページ
第3段階は「当日点だけで決まる枠」ではありません。また、第1段階で選ばれなかった生徒も第2段階の対象になるため、「内申が不足した人に残る唯一の道」とする説明も適切ではありません。
75%は、あなたの合格確率ではない
75%・10%・15%は、選抜人数を説明するための基本割合です。「目安内申より高く、入試で平均点を取れば75%の確率で合格できる」といった個人の確率は、この制度からは計算できません。
仕組みは、学習計画を考える材料として使いましょう。志望校を判断するときは、現在の学習状況や成績の推移、志望学科の選抜方法などを整理し、中学校の先生や塾の講師と相談することが大切です。
5.2027年入学向けの出願・入試日程
以下は、令和9年度の全日制一般選抜を受ける中3生が押さえたい日程です。表の12月は2026年、2~3月は2027年を指します。
| 手続・検査 | 日程 |
|---|---|
| Web出願の志願者基本情報・志願情報の入力 | 2026年12月中旬から可能 |
| 入学検定料の納入 | 2027年2月上旬から |
| 志願受付(中学校による手続) | 2027年2月16日~18日正午 |
| 志願変更受付(中学校による手続) | 2027年2月24日~25日正午 |
| 学力検査 | 2027年3月3日 |
| 面接 | 2027年3月4日 |
| 合格者発表 | 2027年3月12日正午以降 |
入力ができる時期と、正式な志願受付期間は別です。 中学校を通じた手続があるため、学校から示される提出・確認の期限にも従って準備してください。
一般選抜の志願変更は1回に限られます。変更できる内容や手続の条件は、中学校の案内と県実施要領・5ページで確認しましょう。
病気などのやむを得ない事情に対応する追検査には、別の日程と手続があります。また、特別選抜、定時制・通信制、再募集などは、上の表をそのまま当てはめず、該当する案内を確認してください。
募集定員と学校裁量枠は、最新年度で確認
2026年9月10日時点で、令和9年度の全募集定員は11月上旬公表予定と案内されています。学校裁量枠の割合も、募集定員の変更に伴って変わる場合があります。県「一覧表の見方」・2ページ
前年の学校案内や過去記事の人数を、そのまま今年度の定員として判断しないようにしましょう。更新情報は県の令和9年度資料一覧で確認できます。
6.制度を知ったうえで、今取り組みたいこと
ここからは、学習空間としての学習面の提案です。合格条件や公式の採点基準を示すものではありません。
中1・中2:分からない内容を、そのままにしない
中3の評定や入試問題へつながる土台を、普段の学習から整えましょう。テスト後は解答を写して終わりにせず、解説を閉じて自分で解けるかまで確認することをおすすめします。
中3:9教科の学校学習と、5教科の入試準備を並行する
定期テストの準備、授業の復習、提出物など、今の学校学習を確認します。同時に、これまでに習った内容のうち、入試に向けて復習が必要な単元も整理しましょう。
「どの選抜段階を狙うか」だけで学習を決めるよりも、何ができていて、何を自力で解けるようにするかを具体的にすることが大切です。過去問は、得点に加えて、間違えた理由と解き直しの結果を確認する材料にしてください。
教科別の学習整理には、静岡県公立高校入試・5教科の傾向と対策や、数学の目標点別学習ガイドも参考にできます。過去問分析や目標点は編集上の参考情報であり、次年度の出題や合格を保証するものではありません。
保護者:点数を聞く前に、本人の振り返りを聞く
「何点だった?」に加えて、「どこができるようになった?」「次は何を直す?」と聞いてみてください。結果だけでなく、次の行動まで話しやすくなります。
志望校については、学科、学校生活、通学、卒業後の進路なども整理しましょう。例えば、沼津・三島周辺の学校情報を調べる入口として、沼津東高校、三島北高校、沼津市立高校の記事があります。各校の制度・日程は、学校公式の最新情報と照らし合わせてください。
7.よくある質問
内申が目安に届かなければ、志望校は変えるべきですか?
参考目安だけで、一律に判断することはできません。目安は実際の選抜対象を事前に確定する数字ではなく、共通枠には複数の段階があります。評定、学力検査に向けた学習状況、学校・学科の選抜方法などを整理して相談しましょう。
学調の点数が、そのまま入試の点数に加算されますか?
県が示す全日制一般選抜の共通枠は、調査書、学力検査、面接の結果等で選抜します。学調の点数を、独立した選抜点として学力検査の250点に加算する仕組みではありません。県実施要領・10~11ページ
学調は、理解できている内容や復習課題を整理する材料として活用しましょう。実施日と教科別の範囲は、中学校から配布される当該年度の案内で確認してください。
部活動の実績がなければ、第2段階では選ばれませんか?
第2段階は、特定の肩書きや活動実績だけで決まる制度ではありません。県が示す判断資料は、学習の記録以外の調査書記載事項と面接の結果です。評定や学力検査等による対象除外の規定もあります。県実施要領・10ページ
面接は、全員同じ人数の集団面接ですか?
全日制一般選抜では全員に面接を実施しますが、方式を全校一律に説明することはできません。志望する学校・学科の案内を確認し、その高校で学びたい理由や自分の経験を、自分の言葉で話せるように準備しましょう。県実施要領・8ページ
8.受験準備の確認リスト
- 志望する学校だけでなく、学科まで確認した。
- 対象が令和9年度・2027年入学向けの資料か確認した。
- 学校裁量枠の対象者・割合・選抜方法を確認した。
- 内申や目標点の参考値を、公式の合格基準と混同していない。
- 定期テスト・学調・過去問から、復習する内容を整理した。
- 出願について、中学校の案内と県の受付日程を確認する準備ができている。
静岡県公立高校入試では、評定、学力検査、面接等が、それぞれの選抜段階で使われます。制度を理解したら、次は自分の学習へ戻りましょう。
今週取り組む教材と、解き直す問題を決める。 そこから、日々の学習を積み重ねていきましょう。
静岡県東部 高校受験情報ライブラリ
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公式資料・出典
この記事の制度・日程は、2026年9月10日に以下の資料で確認しました。以後の変更は、県・各校の公式案内をご確認ください。
- 静岡県・令和9年度公立高校入学者選抜関係発表資料
- 令和9年度静岡県公立高校入学者選抜実施要領(主に1・5・7~11・70~72・127ページ)
- 公立高校をめざすあなたへ1・令和9年度(PDF4枚目)
- 令和9年度学校裁量枠一覧表の見方
- 令和9年度学校裁量枠一覧
- 令和9年度Web出願の志願手続・入学手続チラシ
- 令和8年度学力検査の正答・採点基準(過去の問題形式を確認するために参照)
- 学習空間公式・理念と指導方針





















