大つごもり

個別指導塾の学習空間、長泉教室の望月です!

夕暮れの街では、なんとなく、人々の歩くスピードが速く感じ、
皆、急いでいるように見えてきました。
耳を切る風が冷たいです。

スーパーでは「年内無休」といった張り紙が貼られ、
おせち料理コーナーやお歳暮コーナーが盛り上がっています。
世の中が年末へ向けてアクセル踏んで加速していく様を感じます。

昔、貧しい家の年越しはとても苦しかったらしいです。
一年の最後の「大つごもり(大晦日)」には
その年の借金を返さなければならなかったからです。

樋口一葉作の「大つごもり」は、ある年の大晦日に
大きな商家に奉公に出ている赤貧の娘が起こした事件を描いたものです。

大学時代に読んだのですが、一葉の文体は「擬古文」と呼ばれる独特のもので、
とても難解でした。しかも話題が次から次へと、まるで連想ゲームのように飛びます。
現在の話からいつのまにか過去の回想シーンに入っていたりもします。
そして何より一葉の文章が難解なのは「。」がつかずにずっと文が続くことです。

ということだったので、最初は「現代語訳」の助けをかりながら読んでいました。
でも、それでもめげずに2回目、3回目と読むうちに、最初ほとんど理解できなかったものが
まるで霧が晴れるみたいにスッとわかるようになってきました。

せっかくなので、あらすじを紹介します。

 

裕福な商家に奉公している娘が、病気で動けない育ての親である叔父のために、
叔父が抱えた多額の借金を何とかしようとして、給料の前借をお願いするが断られる。
そこで、その家のタンスから入れてあったお金の一部を盗んでしまう。
いつかばれてクビになるだろうと思っていたが、全くそんな気配がなかった。
なぜならその家の遊び人の息子がタンスにあったお金を全て盗みだしていたために、
犯人はその息子ということになったからである。
しかしこれは、息子が、娘の盗みに気付いて助けてやろうとして
残っていたお金をすべて持っていってしまった、という「オチ」がつきます。

 

赤貧であることの切なさ、哀しさがしみじみと伝わってくる作品で、
読んでいて悲しくなってきますが、最後の遊び人の息子の「仕業」に
ちょっとだけ救われる、そんな作品です。

さて、我々も「大つごもり」の娘ほどではありませんが、
四苦八苦して生きています。
四×九(シク=36)、八×九( ハック=72)、足せば百八。除夜の鐘の数です。

鐘の音を聞いても、きっと私の百八の煩悩は消え去らず、
悩み苦しみ、これからも生きてゆくのだなあ、と思います。
けれども、自分の歩いてきたこの道だけは忘れないようにと思います。

12月は慌ただしくなりますが、それでも来たる年に夢を抱く月でもあります。
その夢を胸に、残り僅かな今年を精一杯生きてゆこうと思います。

 

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